あおば法律事務所
弁護団の発表資料

水俣病現地調査実行委員会声明

国民の皆様へ

2006(平成18)年8月27日

司法救済制度による正当な解決を求める声明

 本年は、水俣病公式確認から50年目に当たります。しかし、被害者救済さえ終わっていません。私たちは、本日、現地調査を行い、このことを再確認しました。
 一昨年10月に言い渡された最高裁判所・水俣病関西訴訟判決後も、環境省は、認定基準を見直しませんでした。その結果、認定審査会は委員の選任ができず、未だに再開されていません。
 最近になり熊本県は、平成7年の政府解決策による解決を提案しました。しかし、平成7年の政府解決策は、国、熊本県の責任を前提としておらず、患者を水俣病と認めないもので、補償内容も不十分です。最高裁判決により司法判断が確定した以上、これを踏まえて解決がなされるべきです。
 水俣病の歴史は、被害を無いものにしようと画策する加害者側と、これに抗する患者側の激しい闘いの歴史でした。行政は、患者側に立つのではなく、むしろ患者の前に立ちはだかり、正しい救済を妨げてきました。行政は、幕引きのための場当たり的な施策を行い、水俣病を終わりにしようとしてきました。しかし、場当たり的な施策では、全面的解決を図ることはできなかったのです。
 行政は、失敗の歴史を真摯に反省すべきです。環境省は、司法判断を尊重して認定基準を全面的に改めるべきです。環境省は、水俣病に係る懇談会の委員に対し圧力をかけるべきではありません。行政は、不知火海沿岸の全ての住民の健康調査を実施すべきです。
 私たちは、水俣病患者の権利を正当に認めてきた司法の場こそ、全面解決を図るに相応しい場であると確信します。司法の場で早期に正しい救済が実現することを強く望みます。
 私たちは、公害の根絶と環境保全のためには、公害の原点といわれる水俣病問題を解決することが不可欠だと考えます。
 私たちは、ノーモア・ミナマタを合い言葉に、全ての水俣病被害者が救済されるまで、ともに闘っていく決意です。

水俣病現地調査実行委員会

以上